この記事はこんな方におすすめ
- 保育士試験の合格チャンスをできるだけ増やしたい方
- 「年2回しか受けられない」と思いこんでいた方
- 実技試験に苦手意識がある方
- 滋賀県・福岡県・大阪府など、地域限定保育士試験の実施地域にお住まいの方
「保育士試験は年2回」——じつは、それだけじゃない
保育士試験は毎年前期(4月)と後期(10月)の年2回実施されています。科目合格制度があるので、複数回に分けて合格を積み上げる戦略が一般的です。
でも、「年に2回しかチャンスがない」と思っていたとしたら、それは少しもったいないかもしれません。
たす実は、「地域限定保育士試験という制度を活用すれば、居住している地域によっては受験回数をさらに増やせる可能性があるのです。
地域限定保育士試験とは?
地域限定保育士試験は、特定の都道府県が実施する保育士試験の一種です。合格すると「地域限定保育士」として登録でき、その地域内で保育士として働くことができます。
もともとは保育士不足が深刻な地域の人材確保を目的として、2015年(平成27年)に国家戦略特区制度のもとで始まった制度です。当初は神奈川県・大阪府・沖縄県など限られた「特区」のみで実施されていました。
そして、2025年10月施行の改正児童福祉法によって制度が大きく変わりました。これまでの「特区限定」から、認定を受けた地方公共団体が地域限定保育士試験を実施できる一般制度へと移行。令和8年度から実施地域が拡大しています。
令和8年(2026年)の実施状況
令和8年度に地域限定保育士試験の実施が認定されている都道府県は、大阪府・三重県・滋賀県・奈良県・岡山県・福岡県の1府5県です。
2026年4月時点で試験の実施が確定・発表されているのは以下の通りです。
| 都道府県 | 実施時期 | 筆記試験日 |
|---|---|---|
| 滋賀県 | 前期・後期 | 通常試験と同日(4月18・19日/10月24・25日) |
| 福岡県 | 前期のみ | 通常試験と同日(4月18・19日) |
大阪府・三重県・奈良県・岡山県については、2026年1月時点では正式な実施告知は未定です。ただし認定地方公共団体として認定されているため、試験が実施される可能性は高いと見られています。各自治体の公式サイトをこまめに確認するようにしましょう。
📌 情報源:全国保育士養成協議会「地域限定保育士試験について」
各都道府県のホームページでも最新情報を確認することをおすすめします。
通常の保育士試験と何が違うの?
筆記試験:中身はまったく同じ
地域限定保育士試験の筆記試験は、通常の保育士試験と同じ日程・同じ問題・同じ合格基準で実施されます。受験申請時に「地域限定保育士試験」を選択するだけで、筆記試験は一般受験者と全く同じ問題を解くことになります。
実技試験:講習会(5日間)に代わる
最大の違いはここです。通常の試験では、筆記試験全科目合格後に実技試験(音楽・造形・言語から2分野)を受ける必要があります。
地域限定保育士試験では、実技試験の代わりに「保育実技講習会」への参加(5日間程度)で代替できます。



ピアノが苦手・絵を描くのが苦手・人前で話すのが苦手……という方にとって、これは大きなメリットです。
「実技試験さえなければ合格できたのに」という方には、地域限定保育士試験が現実的な選択肢になるかもしれません。
合格チャンスが増える仕組み
地域限定保育士試験と通常の保育士試験は、科目合格の引き継ぎが相互に有効です。
つまり、地域限定試験で合格した筆記科目は、翌年以降の通常の保育士試験でも免除されます。逆も同様です。これを活用すると、以下のような戦略が取れます。
活用例(滋賀県在住の場合)
- 前期(4月):通常試験+地域限定試験を同時受験(筆記は共通)→ 複数科目合格
- 後期(10月):残り科目を受験(滋賀県は後期も実施)→ 筆記全科目クリア
- 実技講習会を受講 → 地域限定保育士として登録
- その後、全国共通の保育士試験を再受験して全国資格を目指すことも可能
通常の年2回に加えて、地域限定試験の分もうまく組み合わせることで、科目合格を積み重ねるスピードを上げることができます。
地域限定保育士として登録した後は?
合格した地域内でのみ保育士として働くことができます。ただし、一定の条件を満たすと全国で働ける通常の保育士資格へ切り替えることができます。
令和8年以降の全国資格への切り替え条件(重要な変更点)
- 地域限定保育士として登録後、3年以上経過していること
- 1年以上かつ1,440時間以上、登録地域内で保育士業務に従事していること
2025年10月の制度改正により、これまでは「登録後3年経過のみ」で全国資格に切り替えられていましたが、実務経験が新たに必須条件として追加されました。



「とりあえず合格だけして3年待てばいい」という使い方は、今後はできなくなっている点に注意が必要です。
デメリットも正直に伝えます
地域限定保育士試験には魅力がある一方で、注意すべき点もあります。
① 受験料は通常試験と同額(12,700円)かかる
地域限定試験は通常試験とは別に受験申請するため、受験料が発生します。合格した科目を積み上げる戦略は有効ですが、コスト面も考慮しましょう。
② 毎年必ず実施されるとは限らない
実施の有無は各都道府県の判断によります。「昨年実施された地域だから今年も大丈夫」という前提は禁物です。必ず事前に自治体の公式発表を確認してください。
③ 地域限定保育士合格後に通常試験を受け直す場合、科目免除がリセットされる
地域限定保育士の実技講習会を修了した後、改めて通常の保育士試験を受験しようとすると、過去の筆記試験合格科目の免除がすべて無効になります(初受験扱い)。資格取得後にどうするかを事前に考えておくことが大切です。
私自身の話:特区外だったので通常試験に専念しました
ここで少し個人的な話をさせてください。私自身が保育士試験を受験したとき、居住地は地域限定保育士試験の実施地域(特区)には含まれていませんでした。
そのため地域限定試験は選択肢にならず、前期・後期の通常試験に集中して対策を進めました。介護福祉士の資格による3科目免除もあって、残り科目への集中的な準備ができ、結果として効率よく合格できたと感じています。
だからこそ、もし滋賀県・福岡県・大阪府など実施地域にお住まいの方であれば、この制度は間違いなく検討する価値があると思います。実技試験の不安がなくなるだけで、精神的な負担がかなり軽くなるはずです。



「実技が怖くて受験を先延ばしにしている」という方こそ、ぜひ一度調べてみてほしいと思います。
地域限定保育士試験 vs. 通常の保育士試験:比較まとめ
| 項目 | 通常の保育士試験 | 地域限定保育士試験 |
|---|---|---|
| 実施回数 | 年2回(前期・後期) | 都道府県ごとに異なる |
| 筆記試験 | 9科目(全国共通) | 通常試験と同一 |
| 実技試験 | あり(2分野選択) | なし(保育実技講習会で代替) |
| 取得できる資格 | 全国共通の保育士資格 | 地域限定保育士(3年+実務経験で全国へ) |
| 科目合格の引き継ぎ | 通常⇔地域限定で相互有効 | 通常⇔地域限定で相互有効 |
| 対象地域 | 全国47都道府県 | 認定地方公共団体のみ(令和8年:1府5県) |
まとめ:住んでいる地域を最大限に活かして合格を目指そう
保育士試験は、正しく制度を理解するだけで受験戦略がまったく変わります。
地域限定保育士試験は、2025年10月の法改正によって制度が整備され、今後さらに実施地域が広がっていく見込みです。現時点では全国すべての人に関係する制度ではありませんが、対象地域に住んでいる方にとっては、合格チャンスを増やす大きな武器になります。



「自分の地域は対象かどうか」「今年は実施されるのか」を今すぐ確認して、後悔のない受験計画を立てましょう。
確認すべき公式サイト:
- 全国保育士養成協議会「地域限定保育士試験について」
- 各都道府県の公式ホームページ(滋賀県・福岡県・大阪府等)
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この記事は2026年4月時点の情報をもとに作成しています。地域限定保育士試験の実施の有無・日程は各都道府県により異なります。受験を検討されている方は、必ず各自治体および全国保育士養成協議会の公式情報をご確認ください。










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